2012/01/06

関節リウマチの抗サイトカイン療法

サイトカインとは最近の研究から、様々な病気を起こしたり、病状の進行に関わるたんぱく質であることがわかってきています。その中でもTNFやIL-6に代表されるサイトカインは、リウマチの炎症に関わる数多くのサイトカインを誘導し、関節の腫れや骨破壊に直接関わっていることが明らかにされました。

こういったサイトカインの役割に注目して、それらを標的とした抗体や治療、さらにそれらの受容体を標的とした薬剤が10年近くの間に相次いで欧米において関節リウマチに対して用いられ、日本でもようやくこれらの薬剤が用いられるようになりました。しかしながら、薬剤の効果が認められる反面、副作用や高い薬価など適正使用が確立されていない段階です。

サイトカイン療法を用いる患者の多くは、これまでのリウマチ治療薬に対して効果の低い方や病状が進行してしまった患者に用いるのが一般的な傾向です。特に、発症早期の関節リウマチの患者にこういったサイトカイン療法を行うと非常に効果的ですが、日本ではなかなか適正な治療が行われていないのが現状です。

問題点として挙げられるのが、保険診療で行っても年間で50万円近い患者の負担が生じることです。これらの薬剤は生物学的製剤と呼ばれ、安定した品質で供給するためには、その製剤過程においてかなりの金額がかかることが理由の一つです。

また、サイトカイン療法に手馴れた医師でもその治療手技には手間がかかります。さらに、感染症や併用するメトトレキサートの副作用のモニターなどを絶えず行う必要があります。